「書類に認印で押印してください」というのはよく耳にするフレーズですが、シャチハタを使おうとすると、「この印鑑は使用できません」と拒否されることがしばしばあります。
シャチハタは印鑑じゃないの?
なんでシャチハタじゃダメなの?
と疑問に思う人も少なくないのでは?
なぜ認印としてシャチハタが受け入れられないのでしょうか?
この記事では、認印とは何か、シャチハタと通常の印鑑との違い、そしてそれらの見分け方について解説します。
認印の概要と他の印鑑との違い
認印とは、実印や銀行印と異なり、なぜかシャチハタを含まない印章として定義されます。
通常、「実印以外」と位置付けられることが多いです。
実印の定義
実印は、役所に登録され、高い法的効力を有する印章です。
通常、偽造が困難な複雑なデザインが選ばれることが多いです。
とはいうものの、印鑑作成業者に依頼すると、通常同じ名前なら同じデザインの印鑑になります。
手彫りを売りにしている業者ならば、同じ名前でも毎回手彫りするため微妙にデザインが異なるのですが、一般的に手彫りの業者は価格が高めです。
厳密には印鑑登録さえすればどんな印鑑(除く:シャチハタ)でも問題ありません。
役所では登録届けに押印された陰影と実際の印鑑の陰影が同じものかを判断するだけで、その印鑑が高級な手彫り印鑑か三文判かで登録可否を判断することはありません。
印鑑登録できるかどうかは「印鑑のサイズが8mm以上25mm以内の正方形に収まるものであり、住民票に登録された名前と同じかどうか、で判断されます。
この規定さえ満たしていれば三文判であっても登録は可能です。
銀行印の役割
銀行印は、銀行での本人確認用に登録された印章で、口座の開設や取引に用いられます。
実印と同様に、複雑なデザインが推奨されています。
一般的にはどの印章を使っても問題ありませんが、実印や銀行印のような重要な用途には適切な印章の使用が推奨されています。
実印や銀行印にはコストがかかることもありますが、偽造防止のために高品質の手彫り印章が望まれます。
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シャチハタが認印として不適切な理由
それではいよいよ「認印を押すように」と指示された際にシャチハタを使用すると拒否される理由を探ります。
シャチハタの特性
印章には朱肉を使用するタイプとインクを内蔵するタイプがあります。
インク内蔵型の代表がシャチハタで、朱肉不要で日常業務に便利ですが、公的文書への使用には不向きとされています。
シャチハタという名前は、特定の企業が製造したブランド名が一般名詞化したもので、正式な商品名は「Xスタンパー」と呼ばれます。
現在はメーカー(シャチハタ)も「シャチハタ」というネームを普通に使用しています。
シャチハタが認印として不向きな理由
認印は文書への同意を示す重要な役割を果たしますが、シャチハタには以下のような問題点があります。
2. 大量生産されるため、同じデザインの印章が広く流通している。
3. ゴム製であるため、押す力によって印影が変わりやすい。
4. 長期使用によりゴムが劣化し、印影が変化する。
これらの理由から、シャチハタは実印や銀行印にも不適切です。
朱肉を使用する印章の特性
一般的な印章は木、金属、石、動物の角など耐久性のある材料で作られ、印影が安定しています。
この「陰影が安定している」という点がシャチハタとの大きな違いです。
認印とシャチハタの識別方法
認印とシャチハタの最大の違いは、インクの性質と色です。
シャチハタはインクがゴムから紙に浸透するため、時間が経つと色あせや印影の変化が起こりやすいです。
陰影が変化してしまっては、公的文書に押印する場合には不適当と言わざるを得ませんね。
一方、朱肉を使う印章は、印影が紙にしっかりと定着し、長期間鮮明さを保ちます。
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認印と三文判の違い
認印と三文判はしばしば混同されますが、実際には異なる概念です。
三文判は非常に安価で量産される印章を指し、その名前は「二束三文」という表現から来ています。
この言葉は非常に低価格で大量に得られるものを意味します。
一般的に、三文判は認印として使用されることもありますが、公的な場では実印や銀行印として登録することはありません。
要は「不適当」というだけで使用できないワケではありません。
シャチハタも大量生産されるため、時に三文判と見なされることがありますが、通常は朱肉を使用する安価な印章を指します。
まとめ
この記事では、認印の重要性と適切な使用条件を説明しました。
特に、シャチハタが認印として適切でない理由と三文判との違いに焦点を当てました。
認印は主に非公式な文書で使用されるため、便利なシャチハタも法的文書では推奨されません。
印章を選ぶ際や使用する際には、その目的を正しく理解することが重要です。